act.1
でたよ、管理人の趣味(ぇ)。ねー、沖田って金髪碧眼かなー?まさか。
「そこをどけ、坂田銀時」
あたしの後ろから低い声で銀時さんの名前が呼ばれた。
「あ?」
声のほうに顔を向ける。そこには本物は初めてみる、真選組副長の
「オウ、また性懲りも無くムサいヤツらと来たな大串君」
土方…えっと、下の名前はなんだっけ?
まあいいや、土方副長。
「大串言うんじゃねェェ!!そういうテメェらもじゃねーか!!」
目つきと口が悪いけど顔はカッコいいから許す。
「うっせェェ!!今年はちゃんという姫がいるんだぞ!」
少しは気を使え、と銀時さんが立ち上がってあたしを土方さんの前に押し出す。
でもその押しの力が強すぎて、あたしの体が前にぐらりと倒れた。
「うわわっ」
バランスを直そうとしたけど駄目で、ぎゅっと目をつむってそのまま倒れこもうとした。
すると何かがばすっという音とともに顔に当たった気がして顔を上げると
「大丈夫ですかィ?」
逆光でよく顔は見えなかったけど金髪っぽい髪色の若い声の人があたしと土方さんの間に立ってた。
「すみませんっ、そちらこそ大丈夫ですか?」
彼から離れて礼して顔上げて改めて顔を見ると、新撰組の沖田さんだった。
「俺は大丈夫でさァ、でも…」
沖田さんが後ろを見る。あたしも目線の先に目をやると
土方さんがすごい顔であたしの後ろの銀時さんを睨んでいた。
「テメェ!女使って前回の逆襲かコラァ!」
えっ!あたしがただ倒れた事を誤解してる?
どうしよ…。謝ろうと思って土方さんの名前を言いかけると
「あ?上等じゃねェか!これを期にテメェらとの前回の勝敗を決めてやろうじゃねェかァ!!」
「よし、じゃあ今回はちゃんと場所をかけようか」
「上等ォォォ!!」
あれ、あたし何気にスルーしたけどさ、さっきいつの間にか来てた
真選組局長の近藤さんがあたしとこの場所をかけて戦うって言いましたか?
そうよ、あたしの空耳よ。
「ほいじゃ、ちゃんこれ持ってー」
自己解釈して自信をつけたあたしに近藤さんが何かを手渡してきた。それは赤いリボン。
それはあたしが座っているゴザにも結ばれてて、あたしの持つリボンと繋がっている。
「え、何ですか、コレ」
近藤さんは笑ってこう言った。
「ちゃんは賞品なんだから、わかりやすくだよ。」
それと、逃げられても困るからな。そう言い残して近藤さんは組員の中へと戻っていった。
そんな、空耳じゃなかったのね…。
ショックでおちこんでいると、ぽんと肩を叩かれたので、振り向くと笑う女の人。
さっき新八さんに話を聞いていたから、この人が後で来るっていってたお妙さんっていうひとだろうなぁ。
すごいキレイな人だし。でも言われたことは
「頑張ってね、おちゃん」
「え?」
同情してくれるんじゃないんだ……。
キッと顔色を変えて、あたしは決意した。
あたしの身体はあたしが守る。誰の隣にもついてやるもんか。
あたしはその気持ちを胸に決戦の場へと向かった。
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